2017年4月28日金曜日

Geriatrics②

こんにちは!ANU組のTTです。

Geriatricsでの実習もあと1日となってしまいました。先生方が本当に優しくて、実習始まって3日目くらいから「あぁ、あと3週間と2日しかないのか。。。泣」と毎日思い続けた当科での実習ですが、いよいよ明日終わってしまうようです。毎日実習を消費してしまうのが悲しくて日々憂鬱な気分でした。。。(もっと楽しめよ、、、)
正直寂しすぎて今にも泣き出したい気分ですが、次の科に移る前に当科での実習についての続きを書いておきたいと思います。。。


午後

ルーティンとなっているのは基本的に前回触れた二つだけですが、それ以外にも以下のような学習機会?があります。午後は基本的にこれらを行いますが、決められたものは②のCase Discussionくらいなのでかなり自由に過ごせます。先生からも「過ごし方はあなた次第!急性期の患者さんが見たかったらその病棟に行けばいいし、さらに急性期の患者さんが見たかったらED (Emergency Department)に行っておいで:)」と言われました。


①GAPU(Geriatric Assessment and Planning Unit)での実習

GAPUという組織の中で実習を行います。
GAPUとは、簡単に言うとEmergencyに運ばれてきた高齢者の患者さんをどの病棟に入院させるか決める組織です。

つまり、高齢者の患者さんが病院に来て入院するまでの流れは、、、

Emergencyに運ばれる → GAPU → 病棟
       or
outpatient(外来) → GAPU → 病棟

って感じです。

高齢者だからと言って老年病科の病棟に入院させればいいわけではもちろんなく、よりspecificな疾患を持っていたらその疾患を扱うのに適した科の病棟に入院させた方がスマートです。
まぁGAPUに送られてくる時点で老年病科が適していると判断されているわけなので、GAPUから他科の病棟に送られることは基本的にありませんが。。。

また、上で少し触れましたが、老年病科と言っても緊急性の観点から入院する病棟が異なり(普段実習を行っているのはsubacuteの患者さんを扱う病棟です)、その中のどこに入院させるかという判断もGAPUが行います。

TMDUからの研修生はかなり自由に実習することができるので、自分は普段の病棟でやることがない時にはとりあえずGAPUに通っていました。たまたまResidentの先生でとても熱心に面倒を見てくださる方がいて(これは本当にラッキーだった。。。)、その方と会うと「What would you like to talk about today?」と聞かれるところから始まり、その時々で興味のある内容について教えていただきとても勉強になりました。
ちなみに、Geriatricsを回っているANUの学生は基本的にここで実習を行っているようです。(なのでANUの学生とはあまり交流がありませんでした。。。)


②Case Discussion

日本でいうminiCEXの進化版みたいなものです。先生から患者さんを一人割り当てられ、その患者さんに一人で問診を行い、その患者さんについて情報をまとめて先生にプレゼンするというものです。だいたい週に2回ほど行います。先生からのfeedbackがかなりしっかりしているのでとても勉強になりました。

まず、問診では日本のFOCUSや普段の病棟実習でやっていたことよりも詳細な聞き取りが要求されます。出身国や宗教(例えば、ある国の人はとある病気の人が多いから目の前の患者さんでも可能性が高まるとか、宗教によっては使ってはいけない薬があったりとか、、、)、独居かどうか、近くにすぐ助けてくれる親族はいるか、家は何階建てか、bedroomやbathroomは何階にあるか、階段は何段か、手すりはあるか、などなど。まぁ老年病科だからこその質問なのかもしれませんが。特にCanberra HospitalのGeriatricsに入院している患者さんはFall(転倒)の人が多いので、それを反映しているのかもしれません。いずれにせよ、ここまで詳細な病歴聴取を求められたことが今までなかったので、とてもいい経験になりました。

また、患者さんに処方している薬の管理についても学ぶことができました。高齢者ということでどの患者さんも飲んでいる薬が多く、「Aという薬は主訴に対して有効だけどBという副作用があるためCという薬を使おう。でもその場合腎臓に負担がかかるので定期的に腎機能をモニターしよう。。。」という感じで、実際の患者さんの管理について実践的な知識が得られた気がします。

以上のように患者さんについて詳しく知る必要があるため、問診は毎回だいたい45分くらいやっておりました。。。もっと練習してcriticalな情報を的確に聞けるようになりたいですね。。


③手技やテスト

運が良ければ手技やテストをやらせてもらえます。
自分は動脈採血、静脈採血、尿カテ、MMSEをやらせてもらいました。尿カテ以外は実際の患者さんにやらせてもらったことがなかったので、とてもいい経験になりました。やはり実際の患者さんに採血するのは緊張しました。。。


細かく書けば他にもいろいろ経験したのですが、大きなものはこれくらいになります。

総じて、Geriatricsはかなり学生(TMDU生だけ?)の自由度が高いのですが、その中でも先生は教育熱心なので、学ぶ意志が強ければどんどん学ぶことができる科であるという印象を受けました。いい意味でも悪い意味でも自分次第ってことですね。先生は教育熱心と言いつつも、向こうから来てくれることはあまりないため、自分からアプローチしていかないと実習の質が落ちてしまうかもしれません。まぁこれはオーストラリア全般的に言えることかもしれませんが。。。面倒見がいい分、自由度が少ない日本での実習とは正反対の環境であるように思いました。

いずれにせよ、自分は最初にこのGeriatricsを回ることで、英語的にも学習の姿勢的にもとても鍛えられました。
明日で最後なのがものすごく寂しいですが、次のGastroenterologyでの実習も頑張りたいと思います。。。

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