2017年4月25日火曜日

タイの医療制度と高齢化。

どうも、レイです。

タイは暑いです。

毎日40℃近いです。

30℃だと涼しいと感じるようになってしまいました。



ソンクラーンという長い休みが終わり、タイでは先週から新学期が始まりました。

ソンクラーン中は水かけ祭りが行われており、水鉄砲やバケツを持った人達が水をかけ合います。


新しく5年生になったフレッシュなタイの学生6名と一緒に、先週から小児科をまわっています。

シリラート病院の小児科は、感染症とか循環器とか色々分かれていて、私が実習しているのはGP(General Pediatrics)という所です。

入院している症例は、General Pediatricsということもあって、核黄疸、肥満、ベーチェット病、悪性胸膜中皮腫、先天奇形、食中毒など、多岐にわたります。

今週は小児のInfectious clinicやHIV clinicを見学するので、よりタイっぽい症例がみられるのではないかと期待しています。



小児科をまわっているタイの医学生達は、週に1,2回夜勤があるそうで、夜勤の翌日も普通に実習があります。

夜勤明けの子はすごく眠そうです。。

朝も毎日7時集合だし、土曜日も(人によっては日曜も)実習があるみたいで、大変そう・・・


学生が、擦過診、グラム染色、KOH染色、外来での予診などをやっていて、日本よりも任されている医療の幅が広い印象です。

みんなで腰椎穿刺の練習中。


また、タイでは医学用語は英語で習うらしく、学生さんは英語は喋れなくても医学英語は沢山知っています。

欧米の最新の情報にキャッチアップしていくためだそうです。



ここで、今回の本題。

タイの医療制度について。



タイには、とても特殊な医療制度があります。

その名も

30バーツ医療制度。



タイでは、医療保険に加入していない低所得者層などは、30バーツ(約90円)払えば殆どの医療が受けられるそうです。

治療も、入院も、予防接種も、出産も・・・


この制度の導入により、「タイでは国民皆保険が達成された」と言われているそうです。

国公立病院はこの制度を利用する患者を受け入れていますが、私立病院での受け入れは少ないそう。



これ、確かに低所得者にとっては凄くいい制度だけど・・・


医療費やばくなりそうじゃない?!


受けられる医療は高度ではないとはいえ、タイはどんどん発展してて、これから高齢化も進んでいくのに、90円で殆どの医療を受けられるとか、ちょっと危険な匂いがするんですけど・・・

まー政府の人達も色々と考えてるところがあるのでしょうが。。



高齢化の話で、もう一つ。


先週、JICAの方々にご一緒させてもらって、高齢者のデイケア施設や訪問リハビリを見に行ってきました。

デイケア施設の様子


若者はバンコクに出て行ってしまうので、タイの地方では高齢化が進んでるみたいです。

私の行った地域では、60歳以上の人口が20%を超えていました。


訪問診療では、目の病気で入院している間に廃用症候群になり、退院後も家で寝たきりのままで、動けなくなってしまった患者さんにお会いしました。

意識がはっきりしているからこそ、体が動かないのが辛そうでした。


そういう患者さんを減らそう、動けるうちに体を動かして、いつまでも元気に動けるようにしよう、


ということで、日本人の作業療法士の方がデイケアを提案されたそうです。

デイケアで他人と関わることで、認知症予防にもなりますし。



他にも、お宅を訪問した際に、そこのお爺さんにスタッフの方が

「日本からお客さんが来てるのよ。知ってる日本語ある?」と聞いたら、

お爺さんが

「バンザーイ」

と言ったのも、印象的でした。


きっと戦争の時代を生きていらっしゃった方なのですね・・



デイケア施設は、まだシステムがちゃんと確立されてなかったり、送迎用の車がゴルフカートしかなかったりと、不十分な点もあるみたいですが、患者さんも楽しそうだったし、現地スタッフの方々も嬉しそうでした。

送迎用のゴルフカート


デイケアで働いているボランティアの人達も、昔は母子保健のボランティアとかをやってたみたいです。


タイでは周産期医療に関する問題は少なくなり、代わりに高齢化が問題になってきていると仰っていました。


高齢化社会の先輩として、日本が世界に伝えていくことは沢山ありそうですね。


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